出張配信はどんなWi-Fiを利用するの? ライブ配信・外配信に必要なネット環境とWi-Fiとは?
出張配信や外からの配信などの際は、Wi-Fiを使うシーンもあります。しかし、Wi-Fiにもさまざまな種類があるので、どんなものを使えばいいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は配信に使われるWi-Fiや、配信に必要なインターネット環境について詳しく解説します。後半では外配信の際に便利なポケット型Wi-Fiの特徴などもお伝えするので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
出張配信ではどんなWi-Fiを利用するの?
出張配信で業者が利用するWi-Fiやインターネット環境とはどのようなものなのでしょうか。
実は、基本的には一般家庭で使われるのと同じような回線やルーターです。配信する場所に適切なインターネット回線がある場合は、その回線を使用することもあります。ただし、配信中の万が一のトラブルに備え、ルーターを複数台準備して配信に臨むのが一般的です。
なお、出張配信については以下のページで詳しくお伝えしているので、気になる方はあわせてご覧ください。
参考記事:出張配信とは? 配信代行サービスにはどんな種類がある?|配信代行を頼む時の8つのポイント
ライブ配信を快適に行うために必要なネット環境とは?
次に、ライブ配信を快適に行うために必要なインターネット環境とはどのようなものかを解説します。
ライブ配信に必要な速度はどれくらい?
ライブ配信を行うためには、ある程度の回線速度が必要です。配信時に大切なのが「上り」の速度で、動きの少ない配信であれば5~6Mbpsほどを目安にするとよいでしょう。ただし、安定性を求める場合はその5~10倍の25~60Mbpsを推奨します。
以下のページでは、YouTubeでのライブ配信を例にして回線速度について解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
参考記事:YouTubeのライブ配信に必要な回線の速度とは? ネット環境を選ぶポイントを解説
快適にライブ配信を行えるネット環境を作るには?
快適にライブ配信ができるインターネット環境を整えるにはどうすればいいのか、2つのポイントを紹介します。
光回線を有線で繋ぐのがベスト
インターネットで配信を行う際、回線は光回線かつ有線で繋ぐ方法が一番安定して速度が出ます。LANケーブルを配信用PCに接続してから配信を行いましょう。
Wi-Fi5以上に対応しているルーターを選ぼう
環境によっては、有線では繋げないパターンもあることでしょう。やむを得ずWi-Fiルーターを使用する場合は、Wi-Fi5(規格「IEEE 802.11ac」)以上に対応しているものがおすすめです。
また、Wi-Fiの周波数の帯域には、2.4GHzと5GHzの2つのタイプがあります。2.4GHzのほうは、床や壁などを透過して広い範囲に電波が届くため、便利です。
さらに、アンテナが外付けされている無線ルーターの場合、角度を調整してより強い電波を送れます。CPUの多いものなら、より速くより安定した電波を送ることが可能です。
屋外で配信をするときにはどんなWi-Fiがおすすめ?
屋外でライブ配信するときには、有線のインターネット回線が利用できません。そこで、外配信の際には、持ち運び用のWi-Fi機器である「ポケット型Wi-Fi(モバイルWi-Fi)」を利用するのが一般的です。
携帯しやすいよう小型かつ軽量で、利用料金も光回線など他のインターネット回線と比べて低額の傾向があります。注意点は、固定式の回線よりも速度や安定性が低いことで、大規模な配信には向いていません。
ポケット型Wi-Fiのメリットと注意点とは?
前章で登場した「ポケット型Wi-Fi」について、さらに詳しくメリットと注意点を見ていきましょう。
ポケット型Wi-Fiのメリットとは?
まず、ポケット型Wi-Fiのメリットとして3つの点を紹介します。
1. 屋外でも配信できる
通信速度の問題はあるものの、前述したように、ポケット型Wi-Fiは自宅でも外でも場所を問わず利用できるのが大きなメリットです。
ポケット型Wi-Fiの種類によっては接続エリアが限定されるものもありますが、エリア内で使う場合には、屋外やインターネットが整備されていない場所に居ながら、簡易的にライブ配信を行うことができます。
持ち運びしやすいので、いつでもバッグに入れて携帯することが可能です。外出時にはスマホやPCとセットで持ち歩いてみてはいかがでしょうか。
ただし、ポケット型Wi-Fiは個人的な配信などの簡易的な利用を目的としており、企業によるセミナーやイベントなどの高画質・高音質な配信にはあまり向いていません。企業が配信をする際は、出張配信や配信スタジオを利用するなど、適切な環境下で行いましょう。
2. 工事不要でネット接続できる
ポケットWi-Fiは、利用するのに光回線のような工事が必要ありません。契約して機器が手元に届いたらすぐに使えるため、とても手軽です。
光回線の工事では、施工自体は業者が行うため任せられますが、工事してもらえるまでに日数を要したり、工事に立ち会ったりしなければなりません。
3. 停電時にも影響されない
ポケット型Wi-Fiはバッテリーで稼働する充電式なので、充電しておけば停電時も影響を受けずに使用することができます。ライブ配信に使用するだけでなく、災害時にインターネット接続に利用して情報収集に役立てることも可能です。
ポケット型Wi-Fiの注意点とは?
次に、ポケット型Wi-Fiの使用における注意点を解説します。
1. 容量制限のあるものが多い|速度制限を受ける
ポケット型Wi-Fiは、容量に制限があって一定量を超えると速度制限を受けるタイプが多いです。動画の配信や視聴をたびたび行う場合、制限がかかって遅くなってしまう可能性があります。
2. 利用するエリアによって回線速度が変わる
ポケット型Wi-Fiはどのエリアでも一定の速度を出せるわけではなく、ばらつきがあるので注意が必要です。たとえば5G対応機種の場合、5Gに対応していないエリアで使うと、5Gエリア内での使用時より速度が遅くなります。
3. 光回線に比べると通信速度は落ちる
ポケット型Wi-Fiは、快適さの面では光回線を利用した屋内配信ほどの期待はできません。速度や安定感はどうしても固定回線のほうが優位です。
4. 充電する手間がかかる
ポケット型Wi-Fiは基本的にはバッテリーで稼働するため、充電しなければ使えません。もしくは通電しつつ利用しましょう。
自分に合ったポケット型Wi-Fiを選ぶ7つのポイントとは?
つづいて、自分に適したポケット型Wi-Fiの選び方をポイントごとに解説していきます。
1. 契約期間|違約金に注意
ポケット型Wi-Fiには、1年や2年といった契約期間が設けられているものがあります。契約期間内に解約すると違約金が発生するため、期間や違約金の金額を調べておきましょう。
安いからという理由で契約しても思うように使えず、短期で解約したら高額の違約金を請求された、ということにならないように、下調べをしておくことは重要です。
なお、違約金を支払いたくない場合、「縛りなし」と呼ばれる、契約期間の決まりがなくいつでも無料で解約できるものを選びましょう。
2. 料金|実質的な月額料金をチェック
料金プランは会社や機種によってさまざまです。時期によってはキャッシュバックキャンペーンなどでお得に契約できる場合もあるので、キャッシュバックされる金額を考慮し、実質の契約料金や月額料金をチェックして比較してみましょう。
一見安く感じても、初期費用・端末代・月額費用をトータルして他社のキャッシュバック時と比べてみると、割高になってしまうものもあります。
3. 通信速度|配信できる上り速度が必要
ポケット型Wi-Fiのサイトなどで通信速度が公開されているので、速度もチェックしておきましょう。配信する場合は、上り速度をチェックする必要があります。ただし、あくまでも理論値での「最大速度」が記載されているため、高めのものを選ぶのがおすすめです。
また、5G対応の機種は、未対応のものに比べて速い傾向があります。
4. 回線エリア|行動範囲に合うものを選ぼう
ポケット型Wi-Fiは屋外でも利用できるとはいえ、電波の届かない場所では使えません。圏外になったり、電波が弱くて安定した配信ができなかったりする可能性があります。自分の使いたい場所が、対象エリア内であるかどうかをチェックしましょう。
5. データ容量|速度制限もチェック
一定期間内や1カ月内のデータ容量の上限が決められている場合があります。容量に達してしまうと速度制限がかかるため、どのくらいまで使えるのかをチェックしておきましょう。
また、制限がどのタイミングで適用され、いつまで解除されないかも確認しておくと安心です。
6. 端末の大きさ・使いやすさ
ポケット型Wi-Fiの魅力の1つが持ち運びやすさなので、端末のサイズや重量も確認しましょう。ただし、機種によってスペックや利便性が異なるため、大きさだけにこだわらずに総合的な判断が必要です。
充電やデータ容量の残量がわかる・クレードル(充電や有線の接続などができるスタンド)が付属されているなど、あると便利な機能や付属品もチェックしておきましょう。
7. 支払い方法
ポケット型Wi-Fiの支払い方法も前もって確認しておきましょう。クレジット払いが主流なので、クレジットカードを持っていない人は、カード以外の支払いができるものを選ぶことが大切です。
ここはどうなの? ポケット型WiFiのQ&A
ここで、ポケット型Wi-Fiへのよくある疑問を解消していきましょう。
Q1:無制限で利用できるポケット型Wi-Fiはある?
基本的には、1日・数日間・1カ月といった単位でデータ容量に制限があるものが多いです。
ただし、後ほど紹介する「GMOとくとくBBWiMAX+5G」はかつて定められていた制限が撤廃されて無制限に、楽天モバイルは楽天の回線エリア内であれば無制限といったように、制限がないものもあります。
容量制限のないポケット型Wi-Fiでストレスフリーにインターネットを使いたい人は、制限なしのものを選んでみてはいかがでしょうか。
Q2:海外でも利用できる?
出張や旅行で外国に行く機会の多い人は、現地でもポケット型Wi-Fiを利用できると便利です。実は、海外で使える端末もあるので、日本以外の場所でも使いたい場合はチェックしておきましょう。
Q3:ポケットWi-Fiの速度が遅くなったらどうすればいい?
通信速度が遅くなるのは、データ容量の制限に達した場合だけでなく、通信障害が起きているなど他の原因が関係している場合があります。
まずは、Wi-Fi端末を再接続・再起動してみましょう。また、同時に複数の機器をポケット型Wi-Fiに接続している場合は、周辺機器を切ることでスムーズに使えるようになる場合もあります。
速度制限でもなく、上記の方法を試してもどうしても解決しないときは、契約している会社に問い合わせてみましょう。
おすすめのポケット型Wi-Fi3選を紹介
最後に、ポケット型Wi-Fiのおすすめサービスを3種類紹介します。配信に適した上り速度が期待できるものをチョイスしたので、ぜひ契約時の参考にしてみてください。
Broad WiMAX
UQ WiMAXが提供するBroad WiMAXは、3,500万もの契約数を誇るポケット型Wi-Fiサービスです。初月は業界最安値の1,397円で利用でき、契約する会社によっては数万円のキャッシュバックキャンペーンが行われていることもあります。
プランは「ギガ放題バリュープラン」と「ギガ放題フリープラン」の2種類。契約期間の縛りの有無で、2カ月目以降の月額料金が変わります。5G対応のポケット型Wi-Fi端末は、2つの種類から選べます。
上り最大75Mbps、下り最大2.7Gbpsという高速で、月間データ量の制限もほぼなく(※一定期間内に大量にデータ通信した場合、混雑する時間帯の速度が制限される場合あり)使い放題です。
初期費用や端末代金は別途かかりますが、キャンペーンで初期費用が無料になることもあるので、ぜひ公式サイトからチェックしてみてください。
GMOとくとくBBWiMAX+5G
GMOとくとくBBWiMAX+5Gは、WiMAX 2+・au 4G LTE・au 5Gの3つのネットワークを利用できるWi-Fiサービスです。2種類の機種のうち、軽量かつ最大16台に接続できる「Speed Wi-Fi 5G X11」が特におすすめ。オプションでクレードルをつけることもできます。
24カ月目までに解約すると違約金がかかりますが、25カ月目以降は無料で解約可能。ただし、25カ月目からは月額料金が少し高くなります。
タイミングによっては、他社からの乗り換えでキャッシュバックしてもらえるキャンペーンが行われていることもあるので、詳しくは公式サイトをご覧ください。
Wi-Fi STATION SH-52A
Wi-Fi STATION SH-52Aは、docomoが取り扱っているポケット型Wi-Fiの端末です。5Gに対応しており、上り最大480Mbps、下り最大4.2Gbpsの高速通信を行えます。
また、QRコードを読み込むだけで簡単に接続できるなどの便利な機能も搭載。Wi-Fi 6に対応しているほか、有線LANケーブルと接続しての通信や、付属のUSB3.0ケーブルを使ったUSBテザリングもできます。
なお、「SH-52B」という後発機種もあり、さらに小型&軽量化されていて機能面も異なるので、あわせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
配信スタイルにあわせてWi-Fiを選ぼう!
前半では、出張配信などでのライブ配信に必要な回線の詳細を伝え、後半は、外配信などに役立つポケット型Wi-Fiのメリットや選び方、おすすめ機器などを紹介しました。
自分の配信スタイルに合ったWi-Fiを選ぶとともに、配信に不安がある場合は出張配信業者に任せるのもおすすめです。
なお、KOUTENは、出張配信にも対応している配信スタジオです。確かな腕と実績を持つスタッフを揃えているので、まずは一度ご相談ください。