オンライン配信
オンライン配信にはどんなマイクが必要?マイクの種類や配信の前に確認しておきたいポイントを紹介
オンライン配信をするにあたって必須と言える機材に、マイクが挙げられます。声を拾いにくかったり、反対に雑音まで拾ってしまってノイズが入ってしまったりすると、配信に大きな影響が出てしまう可能性があります。
そこで今回は、オンライン配信を行う際に使用するマイクの種類や、配信する前に確認しておきたい点について解説します。オンライン配信を行う際の参考にしてみてください。
オンライン配信にマイクは必要?
パソコンを用いてオンラインミーティングを行う際には、パソコンに内蔵されているマイクを利用する方も多いのではないでしょうか。もちろん、オンラインでミーティングや講演会、セミナーなどを行う際、内蔵マイクを用いることは可能です。
しかし、講演会やセミナーなどの配信では、内蔵マイクではなく、外部マイクを利用することをおすすめします。
外部マイクの利用をおすすめする一番の理由は、音質の差にあります。内蔵マイクはマイクの質が選べないことや、話す人とマイクとの距離が遠いなどの理由から、雑音を拾いやすい、音質が悪くなりやすい、ノイズが混ざりやすいなどのトラブルが起きてしまうことが多いです。
外部マイクを利用することによってこれらの問題が解消されるケースが多く、クリアな音声で配信することができるようになります。
マイクにはどんな種類がある?
それでは、実際にどんなマイクを使用すればいいのでしょうか?オンライン配信に使用するマイクは、大きく分けると2つのタイプがあります。次は、マイクの種類について見ていきましょう。
ダイナミックマイク
1つ目のマイクは、「ダイナミックマイク」です。ダイナミックマイクは日常でよく使われているマイクで、たとえばカラオケボックスのマイクにもダイナミックマイクが使われています。
ダイナミックマイクは、空気の振動(音)をマイクに内蔵された振動板で拾う構造になっています。集音する構造が単純で、手軽で頑丈なのが特徴です。後述するコンデンサーマイクと比較すると、価格も手頃になっています。
雑音やノイズを拾いにくく、ハウリングが発生しにくいため、いくつものマイクを使用する場に向いています。反面、感度はそこまで高くないので、演奏会やレコーディングなど繊細な音まで拾う必要がある場には不向きです。
コンデンサーマイク
2つ目のマイクは、「コンデンサーマイク」です。コンデンサーマイクの特徴は、なんと言っても音質の良さが挙げられます。ミュージシャンのレコーディングに使用されることが多いのも、このコンデンサーマイクです。
前述したダイナミックマイクと比較すると、拾うことのできる音の周波数が幅広く、話し声や演奏はもちろん、水の音や鳥のさえずりのような小さな自然音まで録音することができます。
しかし、雑音を拾いやすくノイズが発生しやすいため、場合によってはポップガードやリフレクションフィルターのような、雑音を抑える装置が必要になります。また、精密機械のため、頑丈さではダイナミックマイクに軍配が上がります。
マイクは形状もさまざま
マイクは構造だけでなく、形状にも違いがあります。
一般的にマイクといわれると、壇上や机に設置されたスタンド型マイクを想像するのではないでしょうか。スタンド型マイクは音質に優れており、話し声をクリアに拾うことができます。
話す人が移動する必要がある場合は、ヘッドホンやイヤホンと一体型になったヘッドセットや、胸元に装着するクリップ型マイクがおすすめです。口元との距離が常に一定なため、歩き回っても変わらず音声を届けることができます。
話す人が複数人いる場合は、スタンド型マイクと同じ設置型の、フラット型マイクがよいでしょう。音声を拾う範囲が広いため、ディスカッション形式の配信にも使用することができます。
マイクの指向性とは?
マイクは形状だけでなく、「指向性」という、音を拾うことのできる範囲や方向にも違いがあります。マイクの指向性について見ていきましょう。
単一指向性
「単一指向性」とは、文字通り、一方向の音声を拾うマイクです。マイクの正面からの音を最も拾いやすく、その他の方向、特にマイクの後方からの音声を拾いにくいので、ノイズや雑音が入りづらくなっています。
話す人が1人で講義を行うなどのケースでは、複数の音声を拾う必要がありませんから、単一指向性のマイクが向いています。
全指向性
「全指向性」は、単一指向性マイクとは反対に、あらゆる方向からの音声を拾うマイクで、無指向性マイクとも呼ばれています。360度すべての方向からの音声を、同じ感度で収音することができます。
たとえばテーブルの真ん中にマイクを置き、複数人でディスカッションをする、といった配信の際に向いています。どの方向からの音声も平等に拾うことができる反面、音を選んで収音することができないので雑音も拾いやすく、ノイズが発生しやすいという欠点があります。
マイクの接続方法についても確認しよう
マイクは接続方法にもいくつかの種類があるため、使用する機器に対応した接続プラグを持つマイクを選ぶ必要があります。ここからは、マイクの接続方法について見ていきましょう。
パソコンと接続する
オンライン配信を行う際、パソコンとマイクを直接接続する、という方が多いのではないのでしょうか。パソコンとマイクを接続するのなら、USB接続に対応しているマイクがおすすめです。
USB端子は多くのパソコンに標準で搭載されているため、変換コネクターなどを用意せずとも接続することができます。また、USB接続なら電源も供給することができるため、外部電源を供給するケーブルを用意する必要もありません。
パソコンによっては、ステレオミニプラグに対応しているものもあります。ステレオミニプラグはビデオカメラやスマートフォンにも対応していることが多いので、他の機器でも使い回しをしたいのならミニプラグ接続のマイクを選ぶとよいでしょう。
音質にこだわる場合はオーディオインターフェースを使おう
USBやステレオミニプラグは対応している機器も多い反面、音質に劣るケースも出てきてしまいます。音質にこだわりたいのなら、オーディオインターフェースを使用するとよいでしょう。
オーディオインターフェースとは、マイクや楽器とパソコンを接続するための機器です。接続するためのXLRケーブルや周辺機器を用意しなければなりませんが、XLR接続の特徴は何と言ってもノイズが少ない高音質の収録が可能な点です。
オンライン配信を行う前に確認しておきたいポイント
ここまででマイクの特徴を紹介しました。どんなマイクを選ぶのか決めることができたのではないでしょうか。そこで次は、オンライン配信を行う前に確認するべきポイントについて見ていきましょう。
オーディオインターフェースやミキサーを用意しよう
マイクを直接パソコンに接続しない場合は、オーディオインターフェースやミキサーなど、機器の用意をする必要があります。
オーディオインターフェースを用意すれば、マイク以外にもギターやキーボードなど、複数の音声入力機材を接続でき、同時にいくつもの音を収録することができるようになります。取り込んだ音源を編集・加工したい時にはミキサーが必要になります。
ケーブルや外部電源など、必要に応じて周辺機器を用意してください。
配信する前にマイクのテストをしよう
いきなり配信を始めるのではなく、マイクや機器のテストを行うことも大切です。マイクのテストをせずに配信を始めると、急に音が出なくなったりノイズがひどくなってしまったりといったトラブルが起こる可能性も考えられます。
配信の前に、配信ツールなどを使ってマイクが正常に動作するかを確認しましょう。
しかし、マイクのテストをしても、使っているうちにトラブルが起きてしまう、ということも考えられます。マイクにトラブルがあった時、どのような対処をすればよいのでしょうか?トラブルごとの対処法について見ていきましょう。
トラブル1.音が聞こえない
マイクから入力した音声が再生されない、という時は、まずはボリュームを確認しましょう。ボリュームが最小になっていた、というケースは意外と多く見られます。マイクのボリュームだけでなく、再生機器側の音量設定も見直してみましょう。
ケーブルが抜けかけている、ということも考えられますので、きちんと接続されているかどうかも確認しましょう。
トラブル2.雑音、ノイズが入ってしまう
ノイズや雑音が入ってしまう場合は、まず配信ツールの設定を見てみましょう。雑音カットやノイズ抑制といった機能がある場合は、そういった機能を使うと軽減される場合があります。
たとえばZoomには、背景雑音を抑制する機能があります。ノイズの原因が周囲の雑音である場合は、設定を変更することで解消されるケースが多いです。
設定を変更してもノイズが解消されない時は、マイクの接続端子の破損や汚れ、ケーブル内部の断線など、物理的な要因も考えられます。接続端子をきれいに掃除したり、ケーブルを新しいものへ変更したりするといったことを試してみましょう。
トラブル3.ハウリングしてしまう
音声がハウリングしてしまうときは、他のマイクやスピーカーが近すぎることが考えられます。マイクやスピーカー同士の距離を離したり、他のマイクやスピーカーの音量を下げたり、音量を無効にしたりするといったことを試してみてください。
KOUTENで使えるマイクを紹介
最後に、KOUTENでご用意しているマイクについてご紹介します。
TASCAM|グースネックコンデンサーマイク TM-95GN
TASCAMの「グースネックコンデンサーマイク TM-95GN」は、単一指向性のコンデンサーマイクです。ノイズを防ぐウインドスクリーンが付属されているため、話者の音声のみを非常にクリアな音質で拾うことが出来ます。
マイクを支えるネック部分は自由に動かして固定することができるため、口元へマイクをセッティングすることが可能です。接続はXLRマイクケーブルを使用。講演やセミナーといった、話者の少ないタイプの配信におすすめです。
audio-technica |グースネックマイクロフォン PRO49Q
audio-technicaのグースネックマイクロフォン PRO49Qも、単一指向性のコンデンサーマイク。角度調整が自由に行えるため、きめ細かなマイクのセッティングが可能です。
XLRコネクターを用いたキャノン端子のみの接続のため、遅延も少なく信頼性は抜群です。
KOUTENでは機材の持ち込みも可能
オンライン配信スタジオKOUTENでは、配信に必要な機材はすべてご用意しており、常駐スタッフが操作いたします。しかし、普段使用していて使い慣れているものを使いたい、という方は機材の持ち込みも可能です。
マイクやスピーカーなど、普段と同じ音声環境でスタジオから配信を行いたい、という方はご自身の機材をご自由に持ち込んでください。
オンライン配信に必要な機材について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
オンライン配信にはどんな機材が必要?マイクやカメラなど用意したいものを紹介
オンライン配信にマイクを活用してクリアな音声を届けよう
マイクは、オンライン配信に必須と言える機材のひとつです。パソコンに内蔵されているマイクでも配信することは可能ですが、残念ながら音質がよいとは言い難く、雑音やノイズが入ってしまったり、よく聞こえなかったりといったトラブルが考えられます。
マイクの性能ひとつで、オンライン配信の質が大きく変わります。マイクはさまざまな性能や形状があるので、どんな配信をしたいのか、何を重視するのかで選ぶマイクも変わってきます。配信前に、必要な性能を確認し、あらかじめマイクのテストも行うようにしましょう。
KOUTENでは配信に必要な機材として、マイクやミキサーをご用意しております。ご自身でお持ちのマイクを持ち込んでいただいても構いません。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。