オンライン配信
オンデマンド配信とはどういう意味?メリットや活用シーンを紹介
「オンデマンド配信」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。さまざまな媒体で行われている配信方法で、メリットや活用できる場面がたくさんあります。
今回は、オンデマンド配信とはどのような配信方法なのかを説明し、配信者・視聴者それぞれのメリットとデメリットもお伝えします。また、利用シーンや具体的なオンデマンド配信サービスの例も挙げるので、ぜひ参考にしてみてください。
オンデマンド配信とは?
オンデマンド配信とは、どんなものなのでしょうか。
そもそも「オンデマンド(On-Demand)」という言葉には「要求に応じて」という意味があります。そこから、「オンデマンド配信」とは、要求に応じて動画を配信するサービスのことを指すようになりました。
どういうことかというと、視聴者が見たいと思ったら好きなタイミングで見られるよう、動画をサーバーに蓄えておく仕組みです。
「VOD(ビデオ・オンデマンド」という言葉もあり、ドラマやコメディ、映画などの映像コンテンツをデジタル情報としてアップロードしておき、視聴者が見られるようにするというサービスも、さまざまなプラットフォームを通じて展開されています。
オンデマンド配信とライブ配信の違いを解説
オンデマンド配信と比較されやすいものに、ライブ配信があります。違いは何なのかというと、オンデマンド配信はあらかじめ撮影した動画を配信するサービスであるのに対し、ライブ配信はリアルタイムで動画を配信するサービスである点です。
ライブ配信は生中継で配信者と視聴者が「今」というときを共有し、臨場感を味わいながらコミュニケーションを取ることができます。しかし、その一方で、配信される時間に視聴していないと見逃すことになります。
場合によっては「アーカイブ配信」といって、ライブ配信した映像を録画したものが配信されることもあるので、見逃したときにも安心です。
配信者のオンデマンド配信のメリット
オンデマンド配信をする場合、配信者にはどんなメリットがあるのでしょうか。3つの点を紹介しましょう。
見やすいように編集ができる
オンデマンド配信の場合は、うまくいかなければ何度も撮り直しができ、映像の編集もできます。ライブ配信では予定通りに進まなかったり、セリフを間違えたり、放送事故が起きたりというハプニングの可能性がゼロではありません。
しかし、オンデマンド配信なら、機材の故障や出演者の緊張による失敗、不慮のトラブルなどのアクシデントが起きて配信ができない、というミスも起こりません。納得いくまでコンテンツを作りこむことができるため、質の高い動画の提供が可能です。
多くのユーザーに見てもらいやすい
オンデマンド配信は、ユーザーの好きな時間や場所で自由に見ることができるため、多くの視聴者に気軽に見てもらいやすいというメリットもあります。ライブ配信はタイミングが合わず見られない、という人も、オンデマンド配信なら自分のタイミングで視聴できて便利でしょう。
YouTubeやSNSなどを通して拡散される(バズる)ことにより、より多くの人の目に留まる機会ができる可能性にも期待できます。
さまざまなシーンで活用できる
オンデマンド配信を活用できるシーンも幅広いです。コンテンツマーケティングのためのビジネスツールとして利用する企業が増えているだけでなく、Eラーニング(インターネットを使った学習方法)や社内研修などでも活用できます。
マーケティング用のコンテンツとして蓄積していけば、そのぶん会社の資産になり、将来にわたってビジネスに貢献してくれるでしょう。
なお、オンデマンド配信では一方通行の発信になりがちなため、双方向のやりとりが必要な場合はライブ配信と組み合わせてもかまいません。
視聴者のオンデマンド配信のメリット
次に、視聴者にとってのオンデマンド配信のメリットを紹介します。
自分の好きなタイミングで見ることができる
オンデマンド配信を視聴する際に、自分の家だけでなく、通勤・通学など電車やバスでの移動中、カフェでのブレイクタイムなど、視聴環境が整っていればいつでもどこでも見ることができます。配信者が非公開にしないかぎり、動画が見られなくなるということもありません。
巻き戻しや倍速再生ができる
一度見ても理解しづらかったところやもう一度見たいところは、好きなように巻き戻して見直すことができ、動画を繰り返し再生することもできます。
また、時間に余裕がない時などは不要なところを飛ばして見たいところだけを見たり、倍速再生ができる場合は自分に合ったスピードで見たりすることも可能です。
このように、視聴の自由度が高い点は、ユーザーにとって大きなメリットといえるでしょう。
配信者のオンデマンド配信のデメリット
メリットの多いオンデマンド配信ですが、一方で注意したい点もあります。配信者側のデメリットについて解説します。
双方向のやり取りができない
オンデマンド配信ではすでに収録してある映像を配信するので、配信者と視聴者のやり取りができません。そのため、質問やディスカッションができないことがマイナス点として挙げられます。
ライブ配信のように同じ時間を共有しているという一体感を感じたり、コミュニケーションを取って交流を深めたりすることができず、一方通行な情報になりがちです。双方向にやり取りを行いたいなら、ライブ配信のほうが向いているでしょう。
事前に動画を撮影する手間がある
オンデマンド配信は事前に収録や編集を行う必要があるため、配信までに時間や手間がかかるのも事実です。
たしかに、編集することによってクオリティの高い動画を制作できます。しかし、新鮮な情報を少しでも早く配信したい場合は、編集にこだわりすぎないようにする、状況によってはオンデマンドではなくライブ配信にすることも検討しましょう。
ライブ配信よりも視聴されづらい
オンデマンド配信の内容はいつでも視聴できるため、見ることをあと回しにされてしまう場合もあり、ライブ配信に比べて視聴されにくいという一面もあります。視聴者側のモチベーションや優先度が低くなり、忘れられてしまう可能性もあるのです。
社内研修などで必ず視聴してもらう必要がある内容のものは、視聴者がきちんと見て内容が理解できたかどうかを確認するために、試験を行う、課題を与えるなどの工夫が必要でしょう。
視聴者のオンデマンド配信のデメリット
つづいては、オンデマンド配信における視聴者側のデメリットをお伝えしましょう。
インターネットに繋がっていないと見られないこともある
オンデマンド配信の視聴には、インターネット環境が必要です。ダウンロードができるタイプもありますが、多くは「ストリーミング配信」と呼ばれる方式で、LANやWi-Fiなどでインターネットに接続しないと見られません。
また、動画の視聴はデータ通信量も多くなります。契約しているインターネットのプランによっては見づらくなってしまうこともあるため、注意が必要です。
見るモチベーションを保ちづらい
オンデマンド配信の場合、視聴者は一方的に情報を受け取るという「受け身」の状態です。そのため、シリーズで配信される場合など、視聴に対するモチベーションを保ち続けることができないことがあります。
ライブ配信と併用したり、視聴までの上手な導線を作ったり、動画以外でコミュニケーションを取ったりするなどの工夫をし、視聴者のモチベーションを維持させることが大切です。
オンデマンド配信が活用できるシーン
オンデマンド配信はどんな場面で活用できるのでしょうか。具体的な例を紹介します。
オンライン講座やセミナー
オンデマンド配信は場所や時間にとらわれないため、視聴者は好きなときに自由なスタイルで気軽に参加でき、視聴しやすいです。
特に、セミナー(オンライン講演会)のように登壇者の話を聞くことがメインの場合は、双方向のコミュニケーションができないことがデメリットになりません。
講師に対して質問がある場合でも、チャットやメールなどを利用してやり取りができるので、参加者の満足度も下がりにくいでしょう。
社内研修
社内に向けたクローズドの情報を発信・共有したい場合にも、オンデマンド配信が活躍します。社員はオフラインよりも気軽に視聴できるため参加しやすく、繰り返し見られるのもメリットです。
わかりやすいように文字を入れたり、難しい内容などで補足説明が必要な場合にあとから追加したりすることもできるので、配信者も情報を伝えやすいというメリットがあります。新人研修などにもぜひ役立ててみてください。
プロモーションやコンテンツマーケティング
動画は、見る人に多くの情報をわかりやすく伝えるのに向いているコンテンツ(中身/種類)です。そのため、自社のサービスや商品などを売り出したいときに、オンデマンド配信をマーケティングに役立てることができます。
一度動画を作って配信サイトにアップロードしておけば、24時間365日、常にプロモーション(宣伝)をしながら半永久的にビジネスに貢献してくれるので、インターネット上でデジタルマーケティングを行いたい企業におすすめです。
オンデマンド配信のやり方
オンデマンド配信はどのようにして行えばいいのでしょうか。実は難しくなく、録画した動画をサイトにアップロードして公開するだけで配信完了です。動画配信用のプラットフォームに公開する方法と、自社サイトなどに掲載してURLを視聴者に知らせる方法があります。
また、前でも触れた「アーカイブ配信」もオンデマンド配信の1種です。Zoomやvimeoなどを使ってライブ配信した動画をアーカイブとして残す方法で、生で見ることができなかったユーザーも好きなときに視聴できます。
オンデマンド配信に適したサービス
オンデマンド配信に適したサービスにはどのようなものがあるのか、例を挙げてみましょう。
YouTube
世界に20億人もの利用者がいるとされ、オンデマンド配信サービスのなかでも、特に利用者や知名度が高いプラットフォームとして知られるYouTube。利用料金が無料なうえにさまざまな機能があり、初心者でも配信が簡単にできます。非常に多くの利用者がいるため、プロモーションなどに向いているでしょう。
ただし、商用利用ができない場合があることと、全体に公開している場合、URLを知っていれば誰でも見られるという点には注意が必要です。限定公開にすることもできるので、内容に応じて公開方法を検討しましょう。
vimeo
vimeoはクリエイター向けの動画配信サービスで、高画質の映像をアップロードできるのが特徴です。有料プランのなかには商用利用可能なプランもあるため、コンテンツマーケティングを行いたい企業は利用してみてはいかがでしょうか。
公開範囲を柔軟に設定でき、クローズドの配信が行えるほか、有料の動画を配信するなどコンテンツの販売もできます。
Zoom
Zoomは、有料プランに加入することでライブ配信が行えるプラットフォームです。すでに社内ミーティングなどで導入している企業も多いのではないでしょうか。視聴できる人を限定するため、視聴用のパスワードの設定を行うこともできます。
ライブ配信専用のサービスと思われるかもしれませんが、配信したミーティングやウェビナー(Webセミナー)を録画して、オンデマンド配信することができます。リアルタイムで見逃した方や、内容を何度も見直したい方に便利です。
オンデマンド配信を活用して情報を発信しよう
オンデマンド配信では、編集することによってクオリティの高い動画を配信することができ、見る側もいつでもどこでも視聴できるというメリットがあることがわかりました。デメリットもありますが、工夫によって改善できます。
オンデマンド配信は目的にあわせて利用することで効果的な情報発信ができるため、検討している企業はこの機会に始めてみてはいかがでしょうか。
また、KOUTENでは本格的な撮影環境を提供しているので、機材や撮影場所にお困りの際はお気軽にご相談ください。